高校生ながら時速163kmの豪速球を投げる佐々木朗希(ささきろうき)投手の夏が終わりました。
2019年7月24日に岩手県の甲子園予選決勝が行われ、佐々木朗希投手が所属する大船渡高校が花巻東高校に敗戦。
ずっと目標にしてきた甲子園出場はなりませんでしたが、佐々木朗希投手の将来は明るいと言えます。
今回は気になる佐々木朗希投手(ささきろうき)の進路について、アメリカメジャーリーグ進出の可能性はあるのか?海外の反応や不安要素について調べました。
佐々木朗希は大谷翔平以上の逸材!?
メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスに所属し、新人王まで受賞した大谷翔平投手は同じ岩手県出身でした。
高校生の時に時速160kmをマークし怪物と呼ばれその後も大活躍し続けていますよね。
佐々木朗希投手はその大谷翔平投手の高校時の投球よりもセンス・威力共に上という評価がされています。
大谷翔平投手(24)=エンゼルス=が花巻東(岩手)時代にマークした160キロを上回る、国内高校生史上最速の163キロを計測した大船渡の佐々木朗希(ろうき)投手(3年)には、秋のドラフト会議で1位指名競合確実といわれるNPB(日本野球機構)12球団はもちろん、米大リーグも驚愕。“令和の怪物”には「世界最高の高校生」との声まで挙がり始めた。今後日米を股にかけた争奪戦に発展してもおかしくない。(引用:夕刊フジ)
海外の選手も含め、若いうちに速い球を投げる投手はコントロールが劣るまたは不安定という選手が多いのが一般的です。
ですが佐々木朗希投手は速さだけでなくコントロールのクオリティーもめちゃくちゃ高く、さらに球種も多く器用なんですね。
さらに特徴的なのは本人がとても謙虚なところです。
どんなに高い評価を得たり注目を浴びようとも常に自らの改善点を見出し「自分はまだまだ」という姿勢が常に見られます。
野球選手として、技術も内面も評価が高いのが佐々木朗希投手です。
佐々木朗希のメジャー進出の可能性はどれくらい?
佐々木朗希投手自身はメジャーリーグへ行くことに対してどう考えているのでしょうか?
検証してみたいと思います。
佐々木朗希投手本人の志望は?
周りは佐々木朗希投手に対してメジャーリーグ行きを期待する風潮がありますが、本人は今の時点では日本にとどまることを考えているようです。
「(メジャーへの)思いは今はありませんが、これから先、その時その時で考えていきたい」(引用:東スポ)
このように記者への取材ではコメントをしていました。
今のところ佐々木朗希投手は日本リーグ(NPB)を希望しているようですね。
それは地元を愛していることや母への心配の心もあるのかもしれません。
以前に「母の近くにいたいので地元(岩手県陸前高田)の高校を選んだ」というコメントもありました。
ただそれも周りの期待や才能を最大限生かすということを考えるのであれば、国内志望の考えも変わる可能性は十分あり得るとは言えるでしょう。
岩手の球界関係者は「大船渡の国保監督はアメリカの独立リーグでプレーした経験を持ち、米球界の人脈もある。佐々木に関してもアメリカ式の指導法で厳しい球数制限を設け、大切に育てていると聞きます。多感な年齢ですし、本人の志望がアメリカに揺らぐ可能性は十分ある」と見ている。(引用:東スポ)
佐々木朗希投手の国内スカウトの評価
連日試合会場はもちろん、所属の大船渡高校へも佐々木朗希投手への取材依頼が殺到しているようです。
周囲のスカウトや取材陣の主な評価をまとめました。
・抜群の存在。ストレートだけでなく変化球やコントロールも優れているし、直すところはない
・要所ではしっかり低く決まる。ちょっと力を入れたら150キロを超えてしまうのが本当にすごい。
・ダルビッシュや大谷と同じくらいの素材
・まだ65%ぐらいの力だと思うので、体を鍛えて緻密な投球術を身につけた時どこまで成長するのか。ぜひ最高峰のメジャーで投げてほしい
・初めて見ましたが、ものが違う。すぐに1軍で放れる可能性がある。
・間違いなくドラフト1位で指名される投手です。
・相変わらず素材はピカイチ。まだまだ余力がありそう。もちろん高く評価しています。
・大学・社会人を入れても(力が)抜けている。1位指名?それはまだこれから。まだ秋もあるので。
・投手としていろいろなことを察知しながら投げている。変化球のキレもいいし、コントロールもいい。一級品だよ。
国内のスカウト達は度肝を抜かれつつ、秋まで様子を見たいという球団も多い印象でした。
ドラフトは良い選手を獲るだけでなく、既存のチーム編成との兼ね合いもありますから未だシーズン中ということもあり球団内で慎重に検討したいということなのでしょう。
佐々木朗希の海外の反応
続いて海外のスカウト・関係者の反応を見てみましょう。
●元日ハム監督・トレイ・ヒルマン
「いい顔をしている。謙虚な顔だ。この映像からしかわからないが、伝わってくる才能や成功を考えれば、かなり謙虚に見える。それが第一印象ですね。あの年齢で、しかも才能があればあるほど態度が大きくなるものだけど、彼にはそれが見えない」
「えげつない球。フォームがきれいで、スムーズに流れる。しかも腕の振りもいいし、ボールに回転をかける能力も高い。あの腕の振りから放たれる速球は、相手が高校生だと不公平だよ。レベルが全然違うんじゃないかな」(引用:スポルティーバ)
●ナ・リーグ球団のスカウト
「これまで高校生は一度、日本球界を経由したほうがいいと思ってきたが、この子は別格。育成に限ってはメジャーのほうが絶対にいい。何より、すでに日本でやることがない。それくらいのピッチャー」と断言。
その上で「公立校出身で練習量が足りていないし、あれだけの速球は肩、ヒジに大きな負担がかかる。アメリカは球数制限を厳守させるし、投げ込みもさせないが、日本の現場主導の球団などでは結果を急ぐあまり壊しかねない。それでなくとも今までのびのびやってきた田舎の子が、周囲の声やプレッシャーが大きい人気球団の環境に入ったら潰れてしまうでしょう」(引用:東スポ)
●ア・リーグ球団のスカウト
「大事に扱ってくれる球団、大谷のときのように彼を中心にローテーションを組んでくれるような、寛大な球団であることが条件ですが、日本球界を経由したほうが彼のためにはいい。潜在能力は規格外ですが、経験値と耐久性は未知数。競争力のあるところで一度もまれたほうが本人のためになる」と“条件つき”でNPB入りを後押し。
「高校生で160キロは素晴らしいですが、アメリカではいとも簡単に打たれます。それでかわすような変化球や小手先の技術を覚えて、小さくまとまってほしくない。日本でならストレートだけで十分抑えられる。そうやって臆病にならず、剛速球を磨いていったほうがいい」(引用:東スポ)
●米大リーグスカウト歴22年のロイヤルズの大屋博行国際スカウト
「アベレージ(平均)でも153-154キロは出ていた。初めて生で見て、びっくりしましたよ。今まで見た中で最高の素材。こんな高校生、広い米国にもなかなかいません。評価というより、どうしてこんなすごい素材が日本に現れたのか、あっけに取られました」
「決して筋骨隆々ではない、一見ひょろっとした体形。色白だし、目いっぱい投げている雰囲気もない。力感のないフォームから、いとも簡単にとんでもない球速を出してしまう印象。フィールディングも軽快で、野球選手というよりバスケットの選手を思わせる。いわゆる野球名門校でない、岩手の県立高校の選手だけに、“手垢”がついていない分、限りない伸びしろも感じます」
「はっきり言って、投手としてのセンスは大谷君より上。変化球に関しては、高校時代の大谷君はスライダーが抜けることが目立っていたが、佐々木君は器用で数種類のスライダーを使いこなしているし、チェンジアップの精度も高い。本人は変化球に興味があって研究心旺盛だそうで、今後もいろいろ覚えるでしょう」(夕刊フジ)
●ジョーダン・ヒックス(セントルイス・カージナルス)
「フォームがすごくいい。とくに印象的なのは右足の使い方。右投手は、右足の使い方によって力が発揮されるんだ。ほとんどの高校生はまだそれを理解していないはずなのに、彼は完璧にそのことをわかっているように見える。私は高校生の時、右足の使い方なんてまったく理解していなかった。プロになって少ししてからやっとわかるようになった」(引用:スポルティーバ)
●クリス・アーチャー(ピッツバーグ・パイレーツ)
「えぐい……18歳で101マイルを投げるなんて、本当にえぐい。5年後にどんなピッチャーになっているのか、末恐ろしいよ」
「高校生でありながら、そこまで成長しているというのは、一生懸命野球をやってきた証なので、これからもやり続けてほしい。アドバイスというより、酷使しないように、指導者がしっかりと彼の成長を見守ってほしいと思います。まだ18歳ですし、これからもっと成長するはず。特別な才能を持っていると思うので、長いキャリアを過ごせることを願っています」(引用:スポルティーバ)
メジャーリーグの世界から見ても時速160km以上を出し、コントロールもフォームも良くて謙虚な18歳は過去に例を見ないようでした。
一方で、高校卒業後にメジャーへ行くのが良いのか、日本で数年経験してからが良いのか?については、色々な考え方が見受けられました。
大谷翔平選手も日本で経験を積んで渡米していますし、何が正解はないということなのでしょう。
個人的には、大谷翔平ならどういうアドバイスをするのか聞いてみたいものです。
調べましたが、残念ながら今の所は有力な情報はありませんでした。
佐々木朗希の不安要素は怪我だけ
技術も精神面も文句ない佐々木朗希投手にとっての唯一の不安要素は投手ならではの怪我の問題です。
佐々木自身は不本意だろうが、日米のスカウトは口をそろえて「仮に甲子園に出られなくても、佐々木の評価に変わりはない。むしろ甲子園に出ればどうしても登板過多になりがちだから、ほどほどで負けてくれた方がありがたいのが本音」というのだから、大きなケガでもしない限り、佐々木の株はストップ高だ。(引用:夕刊フジ)
国内外を通じて野球ファンの佐々木朗希投手へのコメントを見ても、投球数に関するコメントが多く見受けられます。
投げすぎによって肩肘への負担から怪我につながる心配をしているのですね。
すでにプロとしてプレイしていて十分な筋力が備わっているなら怪我可能性も軽減できます
ですが佐々木朗希望投手は公立高校に通っている普通の高校生。
体づくりの十分な環境が整っているわけではありません。
190cmという長身ながら筋力はまだまだこれからつけていく必要があります。
実際に怪我の可能性を考慮して甲子園の第5回戦・決勝戦は佐々木朗希投手は登板しませんでした。
これは大船渡高校の国保陽平監督の佐々木朗希望の将来を見越して「故障をさせないため」という判断だったそうです。
結果、決勝戦で敗退してしまいましたが、佐々木朗希投手は「監督の判断だから仕方ない。大船渡に入って本当に良かった」とコメントしていました。
ネット上の反応
一票の重みより一球の重み。良い試合だけど、佐々木朗希くんの肩が心配
— どみ (@dominica1212) July 21, 2019
大船渡の国保監督は163㌔右腕佐々木朗希の連投を回避し"日本の至宝"を故障から守って敗れた。さすがだ。一方、4回戦から「5日で4試合」という旧態依然の組合せにした岩手高野連。5年前、予選の過密日程で盛岡大附の剛腕松本裕樹が肘を壊したことを思い出す。教訓を生かせない岩手高野連こそ敗北者だ。
— 門田隆将 (@KadotaRyusho) July 25, 2019
昨日の岩手準々決勝での大船渡の勝利は高野連に痛烈な問いを突きつけた。前日最速163㌔右腕の佐々木朗希投手は延長12回194球を投じていた。国保監督は佐々木を登板させず“日本の至宝”を故障から守り、さらに延長11回粘り勝ったのだ。高野連に問う。なぜ組み合せ段階で連戦日程を「禁止」できないのか。
— 門田隆将 (@KadotaRyusho) July 23, 2019
佐々木朗希投手は明日も試合がありますが190球以上投げているので少し心配です。
— 岩手県高校野球⚾️ 応援アカウント (@Baseballieate) July 21, 2019
岩手の163㌔最速右腕・大船渡の佐々木朗希投手が6回参考記録ながら無安打無得点の快投。多くのファンが甲子園で勇姿を観たいと願っている。だが一方で、甲子園の過酷スケジュールで肩や肘を壊さないか心配。将来メジャーを席捲するだろう“日本の至宝”が高野連の怠慢で潰されることがあってはならない。
— 門田隆将 (@KadotaRyusho) July 18, 2019
https://twitter.com/KLfhX6BI7tdGjYH/status/1152851160224526336
https://twitter.com/yasumaro_0421/status/1152820916855853056
https://twitter.com/baseball1311uy/status/1152845632538759168
まとめ
以上、佐々木朗希投手のメジャー進出の可能性や国内外のスカウト・ファンの反応をまとめました。
どれを取っても投手として完璧という評価でしたが、投げすぎに対する心配の声は依然としてあります。
とはいえ残念ながら甲子園出場は叶いませんでしたので、少しはゆっくりケアができるのではないでしょうか。
これからの将来が楽しみな佐々木朗希望投手に、ますます注目していきたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。