最近では耳にすることも増えてきた「eスポーツ」とは、一体何なのでしょうか?
2019年7月28日付の日本のニュースでは「三代目JSB・ELLYがプロレスラーを倒す」という記事が掲載されました。
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのELLYが現地時間26日、アメリカ・ニューヨークのアーサー・アッシュスタジアムで開催されたeスポーツの世界大会『Fortnite World Cup』に出場した。eスポーツ史上最高額の賞金総額300万ドル(約32億6000万円)が用意された大会にセレブリティーゲストとして招待されたELLYは、日本人プロゲームプレイヤーのNECKOKUNとコンビを組んで「Pro Am」部門にエントリー。50組中27位に入り、2人で賞金2万ドル(約217万円)を獲得した。
引用:ORICON MUSIC
J Soul Brothersといえばアーティスト・ダンサーですから「プロレスラーを倒したってどういうこと?!」と思う方も少なくないでしょう。
要はeスポーツ(eSports)で三代目JSB・ELLYがプロレスラーを倒したということなのですが、ますます「eスポーツ」の存在が気になりますよね。
ということで、この記事ではeスポーツとはいったい何なのか?オリンピック種目にはいつから採用されるのか?についてなるべくわかりやすく解説いたします!
eスポーツ(eSports)とは?わかりやすく説明すると?
eスポーツとはエレクトロニック・スポーツの略で「コンピューターゲームをスポーツとして捉える時の呼び方」です。
世界で約3億人のeスポーツプレイヤーや観戦者がいると言われています。
例えば、オンライン上で複数のプレイヤーが対戦する格闘ゲームがありますよね。
・ストリートファイター
・PUBG(Player Unknown’s battle groundSバトルロワイヤルゲーム)
・ウイイレ(ウィニングイレブン)
・スマブラ(スマッシュブラザーズ)
などが代表的なeスポーツと言えます。
調べてみると、欧米では1990年代からすでにオンライン上で高額な賞金をかけた世界大会も存在していたとか。
中には年収1億円も超えるプロゲーマ(プレイヤー?)もいるそうです。
eスポーツの種類
eスポーツと一口に言っても様々な種目がありました。
たとえば陸上競技には色々な種目がありますよね。
●短・中・長距離走
●走り幅跳び
●ハードル走
●やり投げ
●砲丸投げ
●リレー
などがあります。
これと同じようにeスポーツにも大きく分けて
●ガンシューター
●格闘
●バトルロワイヤル
●スポーツ系
などがあります。
さらにここからゲームソフト(プログラム)ごとに細分化されていきますから、自分の得意なゲームなども見つけやすいと言えます。
また、テニスやバドミントンに個人戦・団体戦があるように、eスポーツにも1対1のカテゴリーもあれば複数人でチームを組むカテゴリーもあります。
筆者は何度か横で観戦したことがありますが「なんでそんな動きができるの?!」と思ってしまうようなびっくりするスキルを持っている方がいるものです。
ゲームに全く興味がなかった(スポーツマンだった筆者はむしろゲームなんて)と思っていたことをちょっと反省したくらいです。
eスポーツの最大の利点は2つ
eスポーツの最大の利点は2つあると言えます。
eスポーツ最大の利点1:純粋に自分の実力のみで勝負ができる
eスポーツ最大の利点の1つは体格や運動神経、年齢・性別など関係なく、純粋に自分の実力のみで戦うことができることと言えます。
通常のスポーツであれば年齢・性別・体力・筋力などの差が実力に影響されますが、eスポーツにはそれがありません。
小学1年生が大人に勝つ可能性だってあるわけです。
eスポーツ最大の利点2:家にいながら参加できる
eスポーツは基本的にオンラインで試合(ゲーム)をします。
よってどこにいても練習も試合もでき、世界大会にも出ることができます。
通常のスポーツであれば部活動や遠征にでかけたりするため時間もお金もかかりますよね。
オンラインゲームであればインターネットやパソコンがあればできてしまいますから、参加するハードルは低いと言えるでしょう。
さらに怪我や事故に遭う心配もありません。
eスポーツプレイヤーに「アスリートビザ」を発行していた!
さらに2016年には、韓国籍のプロゲーマーに日本が「アスリートビザ」を発行した事実までありました。
筆者は全然知らなかったので、めちゃくちゃ驚きです・・・^^;
日本プロeスポーツ連盟は3月30日、プロゲーマーのチーム「DetonatioN Gaming」の韓国人選手2人が、日本で初めて「プロアスリートビザ」(興業ビザ基準省令3号)を取得したと発表した。
海外のプロスポーツ選手が日本に長期滞在するために取得するビザ。従来から、プロ野球やプロサッカーなどの選手向けに発行されていたが、今回、ビデオゲームの腕を競う「eスポーツ」で初めて同ビザを発行。法務省がeスポーツを正式にプロスポーツとして認めた形だ。(ITメディアにユース)
eスポーツがオリンピック種目の可能性ってホント?
eスポーツがスポーツの祭典、オリンピックの種目になることが検討されていました。
オリンピックに、なぜオンラインゲームが?!と思ってしまいそうですよね。
ということで、そもそもスポーツとは何なのか?ということについて調べました。
そもそもスポーツの定義とは?
スポーツの定義について調べてみると「スポーツ」という言葉は、我々日本人が思っている以上に広い意味を指すことがわかりました。
●スポーツの語源
「Sport」の語源はラテン語の「departare」で意味は「気晴らし、余暇活動、楽しむ、遊び」という意。
そこから中世フランス語で「desport」と呼ばれるようになり、14世紀にはイギリスで「disport」に変化。
16世紀にはSporte/Sportと省略されるようになったが、言葉は変わっても「余暇時間に楽しむこと・遊び」という意味合いは変わらなかった。
スポーツという言葉は、元々は日本でいう体を動かしたり体育的な行動に限定したものではなかったようです。
3つのカテゴリーに分けられるスポーツ
スポーツは大きく分けて3つのカテゴリーに分けられることがわかりました。
フィジカルスポーツ | 野球、サッカー、テニス、ゴルフ、陸上競技、水泳etc |
---|---|
マインドスポーツ | チェス、囲碁、将棋、オセロ、ポーカー、麻雀etc |
エレクトロニック・スポーツ | ストリートファイター、テトリス、War Craft、ウィニングイレブンetc |
こう分けられれば、解りやすいですよね。
筆者も「囲碁や将棋もスポーツだ!」という言葉は聞いたことがありました。
このことから考えれば、「スポーツの祭典」であるオリンピックにeスポーツが加わることは至って自然なことなのかもしれません。
昔について言えば、「エレクトロニック」が技術的に追いついていなかっただけと言えます。
さらに世界的にプレイされているチェスは2024年のパリオリンピックの正式種目として採用される可能性があるようです。
フランス・チェス連盟が、2024年パリ五輪の大会組織委員会に対し、チェスを五輪種目に加えるよう求める申請書を提出した。同連盟のクアトリ会長が明らかにした。(引用:スプートニク)
この多様化の時代ですから、ぜひスポーツの多様化もしていって欲しいと思いました。
eスポーツがオリンピック種目になるのはいつから?
以上のことからeスポーツがオリンピック種目に入るのも時間の問題ではないでしょうか?
実際に2018年に開催されたアジア競技大会(アジアのオリンピックのような位置付け)ではeスポーツが正式種目として採用されました。
アジアオリンピック評議会(OCA)が主催するアジア版オリンピック「アジア競技大会」。インドネシア・ジャカルタで行われる「2018年アジア競技大会」の公式公開競技「e-Sports」種目6タイトルがAsian eSports Federationより発表されました。
今回選出されたのは国内外で人気のある『リーグ・オブ・レジェンド』や『ハースストーン』などといったタイトル。チーム種目と個人種目で採用されるタイトルは異なっているようです。(引用:Game Spark)
国際eスポーツ連盟は2024年のパリオリンピクでの承認を目指しているようです。
とは言え、eスポーツのオリンピック正式種目までの道はそう簡単ではなさそうです。
現実的に考えれば、eスポーツが正式種目に採用されるとしたら2028年からの採用が最短なのではないかと思われます。
以下に課題を挙げました。
eスポーツのオリンピック種目への課題2つ
eスポーツオリンピック種目への課題1:IOC公認化
現時点(2019年7月28日)で国際eスポーツ連盟はIOC(国際オリンピック委員会)には加盟できていません。
このことからIOC(国際オリンピック委員会)は今の所2024年のパリオリンピックへの正式種目承認は難しいと考えているようです。
国際オリンピック委員会(IOC)は8日、スイスのローザンヌでスポーツ界関係者を集めた五輪サミットを開催し、コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」の五輪実施競技入りは「時期尚早」との見解で一致した。(引用:サンケイ)
eスポーツオリンピック種目への課題2:商用(ビジネス)的側面への捉え方
オンラインゲームはゲーム中の広告露出など商用的(ビジネス)な側面が強くあります。
一方オリンピックはアマチュアリズムの最たる存在であり、オリンピック憲章の中で宣伝や広告について一切禁止されています。
このこともクリアしなければならない課題としてあることがわかりました。
1- オリンピック・エリアにおいては、いかなる種類のデモンストレーションも、いかなる種類の政治的、宗教的もしくは人種的な宣伝活動は認められない。オリンピック施設の1部であると考えられるスタジアム、およびその他の競技エリア内、およびその上空ではいかなるかたちの広告も許可されない。
スタジアム内あるいはその他の競技グラウンド内では、商業目的の装置や広告用の看板などの設置は許可されない。
2- なんらかのかたちでの宣伝や広告を許可するための原則および条件を決定する権限は、IOC理事会だけが持つものとする。(引用:日本オリンピック委員会)
とはいえ、世界的に広がっているeスポーツに対してIOCも継続的に検討していく姿勢は持っているようです。
まとめ
以上、eスポーツは何を意味するのか?オリンピック種目の可能性やいつから採用されるのか?についてまとめました。
従来の「スポーツ」という見方で考えると、オンラインゲームがスポーツと呼べるのか?について違和感がありました。
ですがスポーツはもっと広い意味を持っていることがわかってからは、なんだか納得してしまいました。
オリンピックの正式種目化については、色々とクリアしなければならない課題はあるようですが、IOCも前向きに検討が進みそうな予感がしました。
eスポーツの市場はどんどん広がり、さらに人気を増していきそうですよね。
筆者もオンラインゲームに興味が湧いてきましたので、ちょっとやってみようかなと思いました。