2019年6月3日、環境省が2020年までに全国一律でプラスチック製の使い捨てレジ袋の有料化を義務付けを発表しましたね。
環境省は3日午後、プラスチック製レジ袋の無償配布を禁止する法令を速やかに制定すると発表した。
新たに制定される法令は、スーパーやコンビニエンスストアなど、レジ袋を利用する事業者を一律に対象にするもので、世界的に問題となっているプラスチックごみの削減に向けた動きとなる。(引用:FNN PRIME)
「エコ」が流行り、最近はマイバッグ・マイカップを持とうと聞くことも増えてきましたが、実際のところプラスチック製のレジ袋の有料化・廃止がされることによってどんな効果があるのでしょうか?
またプラスチック製のレジ袋の代わりに紙袋に切り替えられていますが、なぜ紙袋だったら良いのでしょうか?
疑問に思ったので、プラスチック製のレジ袋が有料化・廃止の方向に向かっている理由と紙袋がOKな理由について調べてまとめました♪
プラスチック製のレジ袋が有料化・廃止の方向に向かっている理由は何?
ネット上の反応を見ると、たかがレジ袋、たかがストローを減らしたくらいで効果なんてあるの?何の意味があるの?という意見が多く見受けられました。
ですが、次の画像をご覧ください。
これはプラスチック製品とそうでないものが自然に還る(分解される)までにかかる時間を図にしたものです。
以下にまとめます。
紙袋 ・・・ 2〜4週間
りんごのへた ・・・ 約2ヶ月
プラ製レジ袋 ・・・ 10〜50年
プラ製カップ ・・・ 50〜500年
空き缶リング ・・・ 約400年
ペットボトル ・・・ 約450年
使い捨てオムツ ・・・ 約450年
プラ製スプーン ・・・ 100〜1000年
ストロー ・・・ 一生分解せず
潰れた風船 ・・・ 一生分解せず
もうこれが全ての理由といっても過言ではないのですが、結論としては
プラスチック製品は自然に還らない
↓
地球上に増え続ける
↓
環境・生態系に悪影響を与え続ける
< からこそ、世界中で使い捨てプラスチック製品の削減が叫ばれ続けているんですね。
2000年を過ぎたあたりから本格的にこの事実が世界中で問題視され始め、世界各国ですでにプラスチック製のレジ袋の有料化は常識となってきています。
プラスチックが環境に良くないその他の理由
限りある化石燃料を原料としている
プラスチックは石炭・天然ガスなどの化石燃料を原材料としていますが、石油を始めとする化石燃料は採取できる量に限界があります。
限りある資源を節約するために、太陽光発電などの「再生可能エネルギー」の研究・実用が進んでいる時代に逆行していることになりますよね。
<和訳>
地球上の海洋生物の約90%がストローを食べてしまっている事実をご存知ですか?
プラスチック製ストローは作られるのに10分、使われるのに20分、そして地球上に一生残ります。
そしてプラスチック製ストローはとんでもない量の化石燃料をもとに作られています。
さらにほんの小さなプラスチックのかけらを作るために、とてつもない量のエネルギーが使われているにも関わらず、レストラン1店舗当たり年間に4万5000本以上ものストローが捨てられているのです。
プラスチック製品が環境に悪影響を及ぼす理由は、なかなか分解しない長い寿命だけではなかったのですね。
化学物質を含んでいる
プラスチック製品は加工する時にダイオキシンなどの有害化学物質を空気中に発生させ、大気汚染につながるだけでなく、ベンゼンやビニル系化合物など、体内に取り込むと健康に害を与える化学物質を含んでおり、長く水につかっていると溶け出す危険性があります。
年間にビーチで見つかるゴミ・トップ10
30年以上世界中でゴミを拾う世界的なボランティア活動であるインターナショナル・コースタル・クリーンアップで年間に見つかるゴミのランキングトップ10が発表されていました。
1位 タバコの吸い殻 211万7931本
2位 プラ製食品の容器 114万222個
3位 ペットボトル 106万5171本
4位 プラ製レジ袋 101万9902枚
5位 キャップ 95万8893個
6位 プラ製スプーン系 69万2767個
7位 ストロー 61万1048本
8位 空き瓶 52万1730本
9位 空き缶 33万9875本
10位 紙袋 29万8332枚
この時点でどんでもない数ですが、これはあくまでも拾うことができたゴミの数ですから、地球上には拾えなかったゴミの方が多いことを考えると、なんだか悲しくなってきてしまいますね・・・。
450年分解されないペットボトルは100万本以上、地球上に一生残り続けるストローが61万本、、、
これが毎年増え続けているということですから、プラスチック製品を削減することがどれだけ深刻なことなのかわかってきましたね・・
紙袋はなんでいいの?
プラスチック製のレジ袋がだめな理由がわかったところで、紙袋なら無料配布OKという方向性については、紙製品は一般的に
サステイナブル=人間・社会・地球環境の持続可能な発展につながる
と考えられているからだと言えます。
前項でもあったように、紙は再生可能な資源から作られ短期間で自然に還る(分解される)ので、プラスチック製レジ袋よりも環境に良いといえます。
国として環境問題に真剣に取り組むために、プラスチック製のレジ袋を削減し紙袋への移行を目指して「プラスチック製レジ袋の有料化・廃止」に取り組んでいるのですね!
海洋生物や環境保全のための「海洋プラスチックごみ問題」
は、つい2019年6月28・29日に行われたG20大阪サミット2019のメインテーマの一つにも挙げられていました。
ネット上の反応
https://twitter.com/chiesmile66/status/1145238597831819265
スーパーからレジ袋がなくなって約1年。日本でもプラスチックバッグは有料化になるようです。
でもさ、レシートが未だに紙なんだよ。#applepay で払ってんだから要らないって。
紙の無駄でエコ感がないわー。 pic.twitter.com/V2j2PTFYMx— Fatherly (ファザリー) (@Fatherly7) June 25, 2019
https://twitter.com/ukiukiusagi7272/status/1145344645548797952
レジ袋の有料化に備えてゲットしました。 #ぐでたま #gudetama pic.twitter.com/jaBpBloNJi
— あさしん (@assassinbaka0) July 1, 2019
https://twitter.com/iwamotonaoki2/status/1142989621841678336
スーパーのレジ袋を減らすための対策が「レジ袋の有料化」って、東京五輪での首都高の渋滞対策が「高速料金の値上げ」っていうのと同じくらい短絡的だと思う。本当にレジ袋をなくしたいのなら、レジ袋は全面的に廃止して、代わりに紙袋を有料で置くべきだ。
— きっこ (@kikko_no_blog) June 21, 2019
https://twitter.com/yuxxusaryugaku/status/1143458836495392769
まとめ
以上、プラスチック製レジ袋が有料化・廃止に向かっている理由や、なぜ紙袋は良いのかについてまとめました。
プラスチック製品を削減することはただ単にゴミの量を減らすことや海洋生物を守るだけが目的ではなく
・生産過程の環境汚染を減らす
・化石燃料の節約
・分解されずに増え続ける量を減らしていく
ことにもつながることがわかりました。
特に今回思ったことは、中には1000年以上も地球上に残り続けてしまうプラスチックもあるということは、
今の私たちの時代だけではなく
「次世代・そのもっと未来の世代のため」にどんな地球を残していくのか?
という課題に直結することなんだと、感じました。
日本でもプラスチック製レジ袋の有料化を皮切りに、可能な限り脱・プラスチックな世の中になってほしいと思います。
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