日本の「左官職人」の第一人者として活躍の場を広げる久住有生(くすみ なおき)さん。
2018年には人気番組「プロフェッショナル」でも特集されていました。
久住有生さんとは一体どういう人物なのでしょうか?
また左官職人とはどういう職業で年収はいくら程なのか?
左官職人を目指すきっかけとなった父親・久住章(くすみ あきら)さんの顔画像も合わせてご紹介いたします!
久住有生(くすみなおき)ってどんな人?プロフィール
名前:久住有生(くすみ なおき)
年齢:48歳(2020年4月19日現在)
誕生日:1972年3月8日
出身地:兵庫県淡路島
肩書:左官職人
久住有生さんは兵庫県淡路島出身の左官職人です。
久住有生さんは祖父の代から続く左官の家に生まれ、父親の久住章(くすみあきら)さんの職人芸を目の当たりにしながら育ちました。
父親・久住章さんは「左官のカリスマ」と言われる程の名人で、ドイツのアーヘン工科大学で指導をしていた経験もあります。
久住有生の幼少期
なんと久住有生さんは「3歳でこてを握った」そうです・・!
久住有生さんには2歳年下の久住鴻輔(こうすけ、本名はまこと=誠)さんと共に、常に左官職人になるべく教育を受けていました。
久住有生さんは幼い頃から砂を振るったり、彫刻の型抜きなど“お手伝い”という名の修業に励んできたといいます。
ただ実は久住有生さんは高校生になるまで左官職人にはなりたくなかったんだとか。
というのも、父親・久住章さんの英才教育があまりにも厳しかったからです。
あまりに厳しさに家出をしたこともあったんだとか。
久住有生さんの幼少期のエピソードをご紹介します。
▼久住有生の幼少期の父親・章による過酷な教育
■壁を塗る練習をしないとご飯を食べられない
■夏休みは現場に連れていかれて、大きな砂山を一週間で全部ふるっておくようにと言われ朝から晩まで篩い続けた
■押し入れに入って押し入れの壁を塗るように言われる
■広告の裏に竜の絵を百枚書けといわれる
■お土産は左官鏝(こて)
■漆喰のアルカリが強すぎて、手のタンパク質が溶けることで指に穴が空き血を流しながら製作を続けた
た、確かにこれが小さい頃から続いていたら、逃げ出したくなるのも無理はないですね・・・^^;
そんな幼少期を過ごした久住有生さんは
「早く自分のやりたいことを見つけないと、左官職人にさせられる!」
と、高校時代にはケーキ屋さんのアルバイトに暮れていたんだそうです。
そして「ケーキの専門学校に行きたい」と父親・久住章さんに相談したところ、反対されてしまったんですね。
しかし、父親・久住章(くすみ あきら)さんのある一言で人生が大きく変わったといいます。
久住有生(くすみなおき)の父親・久住章の顔画像はコレ!
久住有生さんの父親・久住章(くすみあきら)さんも天才左官職人として長年活躍されました。
久住有生さんの父親・久住章さんの顔画像はこちらです。
2018年6月に古希のお祝いをしていましたので、2020年現在の年齢は72歳だと思われます。
▼久住章さんの古希を祝う息子たち
真ん中が父親の久住章さんで左が息子の久住有生さんです。
とっても優しそうな父親ですよね!
久住有生(くすみなおき)が左官職人を目指したきっかけ
久住有生さんの高校時代、左官職人になりたくない!と頑なに拒否していた頃、父親の久住章さんがある提案をしました。
それが「世界を観てこい」という一言でした。
そして父親の勧めでヨーロッパに発った18歳の久住有生さんは、それまで拒否していたはずの「建築」の世界に魅了されてしまったんですね。
特にスペインのアントニ・ガウディの建築には、その存在感に圧倒されてしまったといいます。
ガウディと言えば「サグラダファミリア」は有名ですよね!
他にもガウディの建築はスペインバルセロナの旧市街のいたるところで見ることができます。
https://twitter.com/Nekono_Kocorono/status/1249699773793202176
▼カサ・バトリョ
▼ディズニーシーのマーメイドラグーンのモデルとなったといわれるガウディ
今日のカサ・バトリョ、 外壁の モザイクが カーブの バルコニーと 良く合っています。日曜日とあって凄い人。
ガウディ建築 pic.twitter.com/ZscmL5S3tB— Hiroko Miyamoto (@HirokoMiyamoto7) November 10, 2019
どれも本当に美しくて魅力的で「圧倒された」という久住有生さんの気持ちがわかる気がします・・!
帰国後に久住有生は別人のように左官の修行開始
父親の言葉がきっかけで訪れたスペインへのの旅を終え、帰国した久住有生さん。
その後は生まれ変わったように「左官職人」を目指し、様々な親方の元で修行に打ち込むようになりました。
やると決めたからには父親・久住章さんよりも上を行く!と一日20時間を左官の修行に充てるように打ち込んだそうです。
ご飯は5分、お風呂は3分で済ませ、寝る間を惜しんで名人を目指した結果、現在の結果を出されていたのですね。
そして20歳の時に、普通ならその道40年といった熟年の左官職人しか塗ることができないといわれる「京都御所」の修復に参加します。
この経験はのちの職人人生に大きな影響を与えたようです。
ちなみに久住有生さんはこてを握り続けた結果、握力が70kgもあり2本指でリンゴをつぶせるそうです!!
まさに継続がなせる業ですよね・・!
久住有生さんは1995年23歳で独立し「久住有生佐官(くすみなおき さかん)」を設立。
一流の腕を磨いた久住有生さんは、海外からのオファーが届く程の左官職人となったのでした。
特に久住有生さんは重要文化財や歴史的価値の高い建造物の修復もできる左官職人として知られています。
そもそも久住有生(くすみなおき)の左官職人ってどんな仕事?
左官職人とは
建築工事において、壁塗りやタイル貼り、レンガ積み、床仕上げなどを専門的とする職人
のことを指します。
塗り壁の材料の性質により、固まらないうちに塗って綺麗に仕上げる必要があるため、高い技術が必要とされています。
「感動するものや長く続くものには、大切にしたいと思わせる何か、つくった人の思いが込められれている。」そう語るのは、国内外で広く活躍する左官職人 久住 有生氏。彼が思い描く、未来につながるイノベーションとは。インタビュー記事を見る:https://t.co/CzJvFCzZcK pic.twitter.com/hulaCOhgVO
— Audi Japan/アウディジャパン (@AudiJapan) October 24, 2017
左官職人・久住有生は何がすごいの?
久住有生さんの国内外の評価が高い理由は主に3つあります。
■左官職人としての一流の腕
■企画から携わり経験を生かしたデザイン提案をする
■依頼のあった建築物のある土地のくらしや自然など背景を考慮して材料を選ぶ
久住有生さんは現場で仕事を請け負う際は、企画段階から参加することが多いといいます。
というのも、久住有生さんは世界中の建築物の修復などに携わってきた経験があります。
企画から携わることで、そういった経験を生かしたデザインの提案などもできるため、貴重な人材として重宝されているようです。
伝統的な左官職人としてのスキルにオリジナリティが合わさりあうことで唯一無二の存在となった久住有生さん。
また、手がける建築物の土地のくらしや自然などの背景も考慮して材料を選ぶ、
といった配慮もクライアントから選ばれる理由の一つとなっています。
久住有生さんならではのアイディアが、国内外で人気が高まっている一因となっているようです!
久住有生(くすみなおき)の作品を紹介!
実際に久住有生さんの手がけた作品はどんなものがあるのでしょうか?
いくつかご紹介いたします!
全体的に温かみがある雰囲気をまとっていますね。
この螺旋の感じが唯一無二の味を出していることが素人目にもわかります。
これらは作品展示会で紹介されたものです。
もはや建築という枠を超えた「アート」が詰まっていますね!
なお、久住有生さんが実際に制作作業をしている動画はコチラ▼です
とっても繊細な職人技が垣間見れますよ!
▼久住有生紹介ビデオ
2019年末には東京大丸にて久住有生さんの作品発表の展示会が行われていました。
久住有生さんはもはや左官職人という枠では収まらない、アーティストとしてその名を広めていますね!
左官職人の久住有生(くすみなおき)の年収はいくら?
左官職人というなかなか聞きなれない職業ですが、年収はいくら程になるのか?
調べてみました。
▼一般的な左官職人の平均年収
約380万円
▼独立開業した左官職人の平均年収
450万~650万円
久住有生さんは独立されて20年近く経ちますし、日本トップの左官職人さんです。
海外らのオファーもある程で、従業員を雇っていることも考えれば、
久住有生さんは年収おおよそ1000万円程は稼いでいる
と考えられるでしょう。
職人さんとしてここまで大成功されるのは珍しいですし、本当に素晴らしいことですよね!
久住有生(くすみなおき)の震災時のエピソードが凄い!
左官職人として成功を収めている久住有生さん。
淡路島出身の久住有生さんは、1995年に発生した阪神淡路大震災をモロに経験されていました。
その時すでに左官職人として活躍中の身だったことから、震災で倒壊した家屋の修復作業に当たったのです。
久住有生さん曰く「100軒とかじゃ利かない」くらいの数の家屋の修復にあたったといいます。
ただその中でも、先人たちが培ってきた「建築の技術」にも気づくことができたんだとか。
大変な状況下においても、プロフェッショナルさを常に持ち続け、学び続ける久住有生さんの姿勢が素晴らしいですよね^^
そんな久住有生さんだからこそ、一流職人として成功を収めたのだと改めて感じました。
今後も久住有生さんは左官職人にとどまらず、ますます活躍の場を広げること間違いなしですね!