2019年7月21日の参議院選挙は重度の障がいをもつ候補者が参議院議員に当選したことで歴史に残る1日になりました。
れいわ新選組から2名、
・脳性麻痺抱える木村英子(きむらえいこ)さん
・ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う舩後靖彦(ふなごやすひこ)さん
が参議院比例代表選挙で当選しました。
さらに党代表の山本太郎さんは落選ということですが、これには意図があったようです。
この記事ではれいわ新選組で障がい者が当選した理由を中心に、山本太郎代表の構想についてまとめました。
れいわ新選組とは?
れいわ新選組は2019年4月1日に山本太郎代表によって設立された政治団体です。
ネットで寄付を呼びかけ、あっと言う間に4億円を集めるほど注目を集めていました。
そして結果も新団体ながら型破りな政策や選挙運動が功を奏し、2議席を確保。
その2席を特定枠に当てた為96万票獲得した山本太郎さんではなく、
・木村英子(きむらえいこ・脳性麻痺)さん
・舩後靖彦(ふなごやすひこALS-筋萎縮性側索硬化症-を患う)さん
が当選しました。
もちろんこれは党代表の山本太郎さんの思惑です。
●特定枠とは
2019年の参議院比例代表選挙から導入された、合区対象の県で擁立できなかった候補者を救済する新しい制度。(候補者個人へのの投票もできる中で)政党への投票が多かった場合には、特定枠に決められた候補者が優先的に当選されるということになる。
れいわ新選組の簡単な政策(マニフェスト)
▼れいわ新選組の公約(マニフェスト)
・消費税廃止
・公的住宅の
・奨学金チャラ
・最低賃金1500円/時
・原発禁止
・障がい者への合理的配慮
・公務員の拡充
etc
基本的に
・お金持ちがもっとお金持ちになり、生活が厳しい人々が増えていく現状の改善
・健常者だけの世界でなく多様化に合わせて国会・政治自体を変えていこう
という方向性の政治団体と言えます。
一般市民目線な政策が多くの人の心を掴んだのでしょう。
れいわ新選組で重度障がい者が当選した理由は何?
今回れいわ新選組では得票数は圧倒的に山本太郎さんが多く約96万票でした。
ですがれいわ新選組の中では特定枠が優先されるため山本太郎さんは自動的に3番手となり、れいわ新選組は2議席止まりとなったために山本太郎さんは議席を失うこととなりました。
●れいわ新選組
1議席目:特定枠・・船後靖彦さん
2議席目:特定枠・・木村英子さん
3議席目:山本太郎・・96万票 ←議席獲得できず
という順番でした。
本来であれば実力・経験・影響力も圧倒的で当選確実だった山本太郎さんが特定枠を採用した理由はなんだったのでしょうか?
それは一言。
本気で日本の政治を良くし、政権を取る気だから
に尽きます。
山本太郎さんは国会を変えよう!!と常に発言・行動を起こされてきました。
スピーチも自分の保身しか頭にない上っ面の政治家とは違い、情熱的で心からの叫びが溢れ出てくるような貴重な政治家ですよね。
今回自ら議席を譲った具体的な理由は主に2つあると言えます。
山本太郎がカッコよすぎる!議席を譲った2つの理由
障害者を当選させた理由:①国会を変える
れいわ新選組は「私たち抜きに私たちのことを決めないで」というスローガンを掲げ、障害者が意思決定機関に含まれることを目指していました。
2019年7月13日の街頭演説での山本太郎さんの発言をご紹介します。
「まず国会が変わることが必要になる。障害者に対して合理的配慮を行うことは、これまで通りの国会運営では無理だ。なぜなら当事者がいないから」
「2人が入れば、当然障害者に合わせた国家運営というものを考え直さなくてはならなくなる。国会は変わる。この2人を国会がどう受け入れられるのか。それによってどう改革していくのか。この結果が、そのまま全国のスタンダードになっていくと思います。だから大きな意味があると思うんですよ」(引用:エキサイトニュース)
確かに国会で福祉だの障害者支援だのと議論・決定するのは障害者と接したことがほぼないであろう健常者ですよね。
バリアフリーを連呼しながら、どのようなバリアフリーが障がい者にとってベストなのかが本当にわかる人は、その場にいないわけです。
そういう状況を打破し、国会を変えるために山本太郎さんは障がいを持つ船後靖彦さん・木村英子さんを当選させたかったのですね。
障害者を当選させた理由:②政権を取る
山本太郎さんはれいわ新選組として3議席取る可能性はほぼない(300万票以上の獲得は難しい)とわかっていました。
その上で、国会を変えるために自分の身は引き障がいを持つ2人を当選させました。
それは自分一人が議席を獲得したところで政権は取れない、国は変えられないことを知っていたからです。
政権を取ることも目的に立ち上げたれいわ新選組ですから、本当の勝負は衆議院にあると考えているようです。
さらに議員でなくとも党首討論はできますし元々存在感のある人物ですから、同じように活動を続けていけば良いと考えていたのだと思われます。
山本太郎氏は自分の保身のために参議院での1議席など、はなから捨てた。
それは自らの演説でもそうした話を述べている。政治を本気で変えるなら、自分1人が1議席参議院でとっても意味はないといった話を、演説で語っている。
山本太郎氏は本気で政治を変え、政権を取る気でいる。
この参議院選挙のことしか、自分が当選することしか、考えていない政治家とは違う。(引用:https://blogos.com/article/392729/)
れいわ新選組の今後の動き
れいわ新選組そして山本太郎代表は次回の衆議院議員選挙に向けて再び動き出すそうです。
次回の衆議院選挙は、それまで解散などがなければ令和3年です。
今回私が旗揚げした理由は、政権を狙いに行くということをいっておりますので。当然、今回の選挙で私が議席を失ったのなら、次の衆議院になると思います。(FNN PRIME)
政治団体「れいわ新選組」の山本太郎代表は21日夜、次期衆院選について「政権選択なので、立候補者100人ぐらいの規模でやらなければいけない」と述べた。(Yahooニュース)
目先でなく日本の未来の為に本気で政治を変えようし、合計200万票以上の得票を得たれいわ新選組ですから、さらなる台風の目になることは確実と言えるでしょう。
参議院選で障がい者当選に対するネット上の声
障害者でも、環境さえ整えれば問題ない。能力の問題だって、他の新人議員と何が違うのでしょうか。経験のスタートラインは、同じですよね。
— 仲さん (@naka_sinichi) July 21, 2019
れいわ新選組の障害のある候補者が当選した際の障害への対応について、党としての責任を問う声が聞こえますが、いわゆる障害者差別解消法の精神に則れば、公的機関での不当な取り扱いは禁止されているはずですので、国会議員として他の議員と同等の活動が出来るかは国会の責任だと思うのです。
— 工藤晋平 (@shimpei_kudo) July 19, 2019
当然ですね。
国会は対応すべきです。— ささきなおみ/naomi (@irisacion) July 19, 2019
党としての責任が問われる時点で、既にその思想が間違っている事に国民は気付くのだろうか?
障害者が国会運営に携わる際に問題があるなら、その問題が起こらない様に運営すべきでしょう。
今、五体満足だからと想像力欠如でいると、ある日セーフティーネットが必要になった時に思い知ることになる。— jun yamamoto (@jun__yamamoto) July 22, 2019
れいわ新撰組から障害者である木村英子・舩後靖彦の両氏が当選した事で、これまで「健常者」である事が当たり前だった国会から、バリアフリーを考慮した国会運営が必要不可欠となりました。
自分の議員生命をかけてでも、この二人を優先的に比例名簿で上位に置いた山本太郎氏には敬意を表したい。 pic.twitter.com/PBafz5kft0
— 大神ひろし (@ppsh41_1945) July 21, 2019
今回の各党
公明「全部当選してよかった」
れいわ「障害者問題に一石!」
国民「キャスティングボート握ったわ笑」
社民・N国「1議席取っちゃった・・・」
自民「なにこの戦闘力53万」
維新「江戸城再建」
立憲「将軍、討ち死に!」
— もののふ@元ハヤテ侍 (@hayatezamurai) July 22, 2019
参院選、山本太郎さんが落選して逆に良い結果を生んだのでは?と思う。
自分の議席を犠牲にしてまで、重度障害者2人を議員にできたこと。
次回、衆議院議員選挙の目玉として、より注目を浴びること。
今回の参院選、山本太郎さんは当選しても落選しても勝ちだったのだろう。#山本代表— 今日はくもり空 (@cloudy_papa) July 22, 2019
同感です。自分よりも大切なものがある。身をもって証明した。政治屋には出来ないことです。命をかけて日本の政治を変えようとしている。
— M.S. (@suger_310) July 22, 2019
船後靖彦さん、木村英子さん、当選おめでとう~~~~!!!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
日本ではまったく報道されなかった けど、ロイターは賞賛し、その後世界中に広まった。
重度障害者が立候補しただけでもすごいことなのに、2議席獲得すれば世界的な快挙。#れいわ新選組 pic.twitter.com/uQ2mSTsl4W— カムとキクタン (@cam44954220) July 21, 2019
後藤謙次氏
「(れいわから重度障害者の方が)二人当選。国会の質問権をどういう形で確保するか。かつて八代英太さん、車椅子だったから、国会のつくりを変えた。今回も早急に国会が応えていなかければならない。何十万票を反映させる義務が国会に生じた。国会が大きく変わるための第一歩になった」— 但馬問屋 (@wanpakuten) July 21, 2019
れいわ新選組について・まとめ
れいわ新選組(山本太郎)で障がい者が当選した理由や目的を中心に記事をまとめました。
今回山本太郎さんが議席を譲ったのは、衆議院選挙を見据えてのことだったのかもしれません。
重度の障がいを持つ国会議員誕生に合わせて国会がどう対応をしていくかが注目されています。
今後も動向を追っていきたいと思います。