2019年7月21日に行われた参議院選挙でれいわ新選組から重度障害を持つ舩後靖彦(ふなご・やすひこ)議員が当選されました。
舩後靖彦議員はALS(筋萎縮性側索硬化症)を患い、全身麻痺で指先を動かすことや話すことができません。
となると会話や意思疎通はどうしているのか気になりますよね。
重度障がい者が当選したということは全国の障害を持つ方や国会内に新たな目が加わるという意味で素晴らしいことだと思いますが、どうやって国会に参加するのでしょうか?
今回の記事では
・舩後靖彦さんの経歴やプロフィールや結婚しているのかどうか?
・話すことができない中の意思疎通の方法やどうやって国会に参加するのか?
についてまとめました。
船後靖彦議員の経歴・プロフィール・結婚
船後靖彦議員の経歴
船後靖彦議員の出身は岐阜県ですが、10歳の時に千葉県に引っ越ししています。
千葉県立千葉南高校
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拓殖大学政治経済学部 卒
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酒田時計貿易株式会社 入社(1982年)
2000年 41歳の時にALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断
2002年 人工呼吸器、胃ろう装着
2008年 最後の右手中指まで麻痺
その後ピアサポートに生きがいを見出し、執筆や講演活動を行う
●ピアサポートとは
一般に、「同じような立場の人によるサポート」といった意味で用いられる言葉である。なお、相談に力点を置いた「ピアカウンセリング」、傾聴に力点を置いた「ピアリスニング」なども類似の概念。要は、障がい者として障がい者の支援をすること、ということですね。
舩後靖彦議員プロフィール
名前:舩後靖彦(ふなご・やすひこ)
年齢:61歳(2019年7月23日現在)
誕生日:1957年10月4日
出生地:岐阜県岐阜市
出身校:拓殖大学政治経済学部
肩書き:(株)アース取締役副社長
:サービス付高齢者向け住宅「サボテン六高台」名誉施設長
舩後靖彦(ふなごやすひこ)さんは健常者として生まれ、大学卒業後は商社マンとして働いていました。
41歳のころから身体に異変を感じ始め、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されます。
その後どんどん進行していき、呼吸まで自らの力ですることができなくなった時は絶望を感じたとコメントがありました。
ですがそこから生きがいを見出し、同じ病気に苦しむ人の助けになれればと、講演や同じ病気を患う人を支える活動をしてきました。
看護・介護サービスの(株)アースの取締役副社長を務めながら、短歌を詠んだりギターを演奏したり、とても生き生きと活動的に過ごしています。
「時間がもったい」ないと睡眠時間は4時間にしているというから驚きです!
体は不自由でもガッツは人一倍の頼もしい方のようですね。
▼船後靖彦さんの紹介動画
船後靖彦議員は全身麻痺ギタリスト
船後靖彦議員は不定期でギターの演奏会を行なっています。
▼ギターを弾いている様子がわかります
コンピューターを使って特殊なギターとつなげることで譜面を読みながら演奏ができるんですね。
4時間しか寝ない活動的な船後靖彦さんさすがですよね!
船後靖彦議員は結婚して妻と娘の3人家族
船後靖彦議員は28歳の時に結婚し、奥さんと娘さんの3人家族です。
奥様は一般人のため名前は公表されていませんが船後靖彦議員が小学校6年生の頃から好きだった同級生の女性なんだそうです。
一度は振られてしまったそうですが、アタックをし続けて28歳で結婚だなんて、舩後靖彦さんは一生懸命一途なことが伺えますよね。
船後靖彦議員は王様病!?
船後靖彦議員は奥さんから「王様病」と呼ばれているそうです。
理由は
・どんなピンチに立たされても、今やれることをやり抜く。
・真実の強さを持った「王様」のように堂々と生きたいと願っている
・全身麻痺でも、こんなにも人生を楽しんでいる。
からだそうです。
舩後靖彦さんが詠んだ短歌にこんなものがありました。
病苦さえ 運命(さだめ)がくれたげーむだと
思える我は「しあわせの王」
本当に人生を謳歌していることがうかがえます^^
船後靖彦議員は意思の疎通はどうするの?国会への参加は?
参議院議員となった舩後靖彦さんはどうやって意思疎通をして国会に参加するのでしょうか?
国会議事堂のバリアフリー化はもちろんですが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者は筋肉が動かないため話すことができません。
結論から言うとALS患者のコミュニケーションの方法は2つあります。
・唇や舌、目の動きでコンピューターを操作する
・介助人がいる場合にはまばたきでコミュニケーションを取る
普段はこの2通の方法でコミュニケーションを取りながら生活をすることがほとんどとなります。
介助人を介して意思表示をするとなると、通常の10倍時間がかかるそうですが、船後靖彦議員は介助者を通さずに意思表示できるように、目の動きで操作する分身ロボットの導入を求めているそうです。
もしこの装置が導入されれば問題なく船後靖彦議員の声も議論に反映できますから、ぜひとも政府には導入決定を認めて頂きたいですよね。
スティーブン・ホーキンス博士の音声装置がすごい!
過去には同じALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う方に世界的有名な権威がいました。
宇宙物理学の第一人者でイギリスのスティーブン・ホーキンス博士です。
ホーキング博士はALSを患っていながらも執筆活動や論文作成、世界中に講演出張など様々な活動をし続け、2018年に亡くなり世界中から惜しまれました。
スティーブン・ホーキング博士のスピーチ動画
▼スティーブン・ホーキンス博士コンピューターを使ったスピーチ動画。2分半頃にパソコンの映像も見えます
ホーキンス博士は顔のごくわずかな筋肉やしわを使って文章をパソコンに打ち込み、音声装置が読み上げるシステムを利用していました。
このような装置を導入することさえできれば国会でも議論に参加することは問題ないことがわかると思います。
船後靖彦さんの希望が通ることを願いたいですね!
ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは?どんな症状なの?
そもそもALS(筋萎縮性側索硬化症)って何?ということについてまとめました。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。
しかし、筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)というものだけが障害をうけるそうです。
その結果、脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり、筋肉がやせていきます。しかし、その一方では、体の感覚、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれていることが普通です。(引用:難病情報センター)
どうやら原因についてはわかっていないようです。
またALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う人は日本に約9000人以上いらっしゃいます。
舩後靖彦さんはある日突然ペンが握れなくなり、痺れが全身に広がっていったそうです。
当時船後靖彦さんは41歳だったそうですから、今まで健康体だったとしてもいつでも誰にでも起こりうる可能性があるということだと言えますね。
船後靖彦議員の参議院選挙当選後のコメント
最後に参議院選挙に当選確定後の舩後靖彦議員のコメントをご紹介します。
「本当に、今日というこの瞬間が来たことに胸がいっぱいです。ありがとうございました」
「国会に入れてもらうために、皆さんはきっと、いろんな事を考えてくださると思います。大変な、面倒なことかもしれませんが、よろしくお願いします」
「僕という人間を見て、必要な支援とは何か、今一度考え直していただける制度を作っていきたいと思います。今回の選挙活動は、ヘルパーさんを同行すると自費になってしまうので極力、うちのボスのボランティアにしました。呼吸器を装着した人間を一人で外出させるのはきっと大変だと思います。この部分も選挙戦で感じた矛盾でした。こんな矛盾を変えたい。弱々しく見える僕ですが、根性だけは人一倍。命がけなのですから。これからもどうぞよろしくお願いします」(引用:エキサイトニュース)
船後靖彦議員当選に対するネット上の反応
首相は映画「こんな夜更けにバナナかよ」をご覧になられて甚く感動されたとのことですから、れいわ新選組の船後靖彦さんと木村英子さんのお二人を国会に迎えるにあたって率先してバリアフリー化を進めてもらいたい
— 小出 健 (@koshmosh) July 22, 2019
でしょ?
親が国会議事堂見学してきた経験あって。もちろん衆・参の両方みたけど車椅子で参加は無理とか言っていたんで。
れいわ新撰組とかいいんで、船後靖彦氏を見たいんだね。— クラーク (@nine_w_clerk) July 21, 2019
船後靖彦さん木村英子さんが国会議員になったことで、いろいろ変わるといいなあ。
— みずのまい (@ohanashiyadesu) July 21, 2019
船後氏は額のしわの動きでパソコンを操って、講演のほか、短歌を詠んだり、同病の人に助言して支えたりしている舩後靖彦さんは「時間がもったいない」と睡眠4時間で精力的に活動しておられます。
副社長として新聞のコラムも書いてるし、ALS患者を殺す気かといってる人よりもまともに働いてるよぬ(引用:Twitter)
船後靖彦さん、木村英子さん、当選おめでとう~~~~!!!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
日本ではまったく報道されなかった けど、ロイターは賞賛し、その後世界中に広まった。
重度障害者が立候補しただけでもすごいことなのに、2議席獲得すれば世界的な快挙。#れいわ新選組 pic.twitter.com/uQ2mSTsl4W— カムとキクタン (@cam44954220) July 21, 2019
まとめ
重度障害のALS(筋萎縮性側索硬化症)を患いながらも、人を支えることに生きがいを感じ活動されてきたる舩後靖彦議員の経歴や意思疎通の方法、国会への参加についてまとめました。
船後靖彦議員の希望通り分身ロボットの導入が認められると良いですよね。
舩後靖彦議員には同じく重度障害を持つ木村英子さんとともに、凝り固まった国会という場に風穴を開けて頂きたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。